多汗症の手術について知りたい
人は誰でも汗をかきます。
程度の差こそあれ、
運動したり暑かったりしたときに発汗するのは自然です。
しかしそれ以外のときに、
異常なほどの汗をかいてしまうことを多汗症といいます。
たいていの場合は 「 体質 」 によるところが大きく、
人より多少汗っかきだったり、手が濡れているのを指摘されたのをきっかけに、
多汗症の迷宮にはまり込んでしまう場合が多いのではないかと思います。
体温調節のために汗をかくのは正常な働きですが、
その機能が 「 誤作動 」 を起こして、異常な発汗につながるのです。
この多汗症を治すために、
賛否両論、また効果の差などもありますが外科的手術があります。
もっとも手軽な多汗症の手術は、
「 ボトックス注射 」 という方法です。
この手術は脇の下に注射をするだけなので、
治療時間も短くて済むし、簡単な方法です。
注射しているのは「ボツリヌス毒素A」という成分で、これが作用することで発汗を抑えられるようになるのです。
お手軽で効果も期待できる手術ですが、
難点は健康保険が適用されないことでしょうか。
そのためクリニック側では自由診療という形になり、
治療費は高くなり、病院ごとに料金もまちまちということになります。
わたしが調査したところでは、
両脇の手術で10万円前後の料金設定をしているクリニックが多かったです。
もう一点は、残念ながら効果が永続ではない点です。
汗を抑える効果が持続するのは6ヶ月から長くても一年。
ですから注射を打ち続けなければならないのです。
根本的な解決にはなっていませんが、
一時的にでも汗が凌げればいいというのであれば有効な方法です。
多汗症のもう一つの手術は、
ETS(交感神経ブロック)と呼ばれる方法です。
この手術には少々乱暴な印象があります。
「 発汗作用のある交感神経をブロックできれば、汗を抑えることができる。 」
その理屈は分かります。
だからといって大事な神経を切ってしまうというのは、
なんとも強引ではないかと思うのです。
交感神経切除手術とも呼ばれますが、
全身麻酔のもと内視鏡によって胸部交感神経を切断していきます。
ETS手術によって多汗症から開放される方がいる一方で、
副作用に悩まされる方がいるのも事実。
代償性発汗といって、手術したのに汗が止まらなかったり、
別の部位からたくさんの汗をかいてしまうようになったりすることがあります。
脇汗の多汗症で悩んでいる方に有効な方法として、汗腺を除去する手術があります。
これは わきがの手術 も同様です。
脇の下には2種類の汗腺があって、
ひとつはアポクリン汗腺、もうひとつはエクリン汗腺と呼ばれています。
どちらも汗を出す 「 もと 」 です。
また簡単にいってしまうと、
水っぽい大量の汗をだすのがエクリン汗腺で、ニオイのもとになるのがアポクリン汗腺です。
つまり多汗症の手術の場合は、
「 エクリン汗腺 」 を除去するのが目的です。
手術の精度としては 剪除法 が一番高いと思います。
でも多汗症の場合はエクリン汗腺を除去するのが目的ですから、
皮下組織削除法(イナバ式) も有効でしょう。
このように多汗症の手術には、
比較的手軽に受けられるものから後遺症の可能性がある方法まであります。
個人的に 「 ETS手術 」 はあまりお勧めできません。
神経というのは大事な組織ですし、
一度切ってしまったものはもとには戻りませんから。
一方ボトックス注射については、
料金が高いというのと、効果が持続しないという難点がありますが、
とりあえず当面の汗を抑えることはできます。
ですからやむを得ない事情がある場合などは、
ボトックス注射や汗腺を除去する多汗症手術はありだと思います。
サラサラの肌に、乾いている脇の下…
もう手のひらだって濡れてない…
そんな当たり前でリラックスした生活を取り戻したい。
安全かつ体に優しい方法で、根本から多汗症を治療できます。